妊娠中や授乳中に親知らずが痛んだら?抜歯の適切なタイミング

最終更新日:2026年3月13日

妊娠中に突然、親知らずが痛み出したら……。「赤ちゃんに影響はない?」「薬は飲めるの?」「抜歯しても大丈夫?」と、不安でいっぱいになりますよね。実は、妊娠中はホルモンバランスの変化や、つわりによる歯磨き不足から、親知らずのトラブルが起きやすい時期でもあります。

本記事では、妊婦さんや授乳中のお母様に向けて、親知らずが痛んだ時の応急処置や、抜歯に最適なタイミング、そして歯科治療の安全性について専門医が詳しく解説します。

妊娠中に親知らずが
痛みやすい「2つの理由」

妊娠中に親知らずが痛みやすい「2つの理由」

なぜ妊娠すると親知らずがトラブルを起こしやすいのでしょうか。それには主に2つの医学的な理由があります。

  • ホルモンバランスの変化: 妊娠中に増えるエストロゲンなどの女性ホルモンは、歯周病菌(特定の細菌)の増殖を促す性質があります。これにより、親知らずの周囲の歯茎が腫れる「智歯周囲炎」が起こりやすくなります。
  • お口の環境悪化: つわりがひどいと、奥歯まで歯ブラシを入れるのが辛くなったり、少量を何度も食べる「ちょこちょこ食べ」が増えたりします。その結果、一番奥にある親知らずに汚れが溜まり、急激に炎症が進むケースが多いのです。

抜歯のベストタイミングは「妊娠中期(安定期)」

抜歯のベストタイミングは「妊娠中期(安定期)」

親知らずの抜歯を含む歯科治療には、適した時期があります。基本的には「妊娠5ヶ月〜7ヶ月(16週〜27週)」の安定期が最も推奨されます。

妊娠初期(1週〜15週)は赤ちゃんの器官形成期であり、切迫流産のリスクも考慮して、緊急時以外の抜歯は控えるのが一般的です。また、妊娠後期(28週以降)はお腹が大きくなり、診療台で仰向けになるのが辛かったり、早産のリスクがあったりするため、基本的には応急処置にとどめます。痛みがある場合は、まず安定期を待てるかどうかを専門医が慎重に判断します。

妊婦さんが気になる「レントゲン・麻酔・お薬」の安全性

妊婦さんが気になる「レントゲン・麻酔・お薬」の安全性

「歯科治療が赤ちゃんに悪影響を与えないか」という心配に対し、現在の歯科医療では以下のような安全対策がとられています。

  • レントゲン: 歯科用のレントゲン(特にデジタル)は、お腹から離れた場所を撮影し、さらに防護エプロンを着用するため、胎児への被ばく量は限りなくゼロに近いです。
  • 局所麻酔: 歯科で使用する麻酔薬(リドカイン等)は、注入した場所で分解されるため、胎盤を通じて赤ちゃんに影響を与えることはほとんどありません。
  • お薬: 鎮痛剤や抗生剤も、妊婦さんでも比較的安全に使用できる種類(カロナールなど)を選択します。痛みを我慢するストレスの方が母体に良くない場合もあるため、産婦人科医と連携して処方します。

授乳中の親知らず抜歯と
「母乳への影響」

授乳中の親知らず抜歯と「母乳への影響」

授乳中の方の場合、抜歯自体はいつでも可能ですが、気になるのは「お薬の成分が母乳に混ざらないか」という点でしょう。

歯科で処方される多くの痛み止めや抗生剤は、服用後に母乳へ移行する量はごくわずかです。どうしても心配な場合は、「薬を飲む前に授乳を済ませる」、あるいは「服用後数時間は授乳を控える(ミルクに置き換える)」といった工夫で対応可能です。お母様が痛みを抱えて育児をする負担を減らすことを、私たちは優先します。

痛みがひどい時の
「お家でできる応急処置」

痛みがひどい時の「お家でできる応急処置」

すぐに受診できない時や、抜歯を安定期まで待つ間のセルフケアです。

  • 患部を冷やす: 腫れや痛みがある場所を、頬の外側から濡れタオルなどで冷やしてください。
  • とにかく清潔に: 刺激の少ない洗口液でうがいをし、毛先の柔らかいブラシで汚れを優しく落としましょう。
  • 市販の薬は自己判断しない: 普段飲んでいる痛み止めが妊娠中に適さない場合もあります。必ず主治医や薬剤師に相談してください。

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当法人には日本口腔外科学会の認定医が在籍しています。お母様の体調を最優先し、安全な抜歯プランを立てます。無理に抜歯を強行することは決してありません。

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妊娠中の方は同じ姿勢を続けるのが辛いものです。当法人の認定医はスピーディーな処置を得意としており、チェアタイム(診察台に座る時間)を最小限に抑えるよう配慮しています。

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「妊娠中だったが、とても丁寧に説明してくれて安心できた」というお声を多くいただいております。自由が丘・尾山台・本八幡の各医院において、術後の経過もしっかりとフォローいたします。

まとめ:妊娠前、または安定期のチェックが理想です

一番の理想は、妊娠を考え始めた段階や、体調が安定している時期に一度チェックを受けておくことです。もし今痛みがあるなら、一人で悩まずに相談してください。お母様の健康を守ることは、赤ちゃんの健やかな成長を守ることにも繋がります。私たちは、あなたの「安心な出産」と「健やかな育児」を歯科の立場から全力で応援します。

記事執筆者:滝口 裕一

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